携帯電話の契約を申し込むと携帯電話事業者側から契約を拒否される場合があります。契約拒否の理由には大きく2つあります。
A,携帯電話料金の滞納がある。
携帯電話事業者間で料金滞納者の情報を共有しているので、どこか一社で料金滞納すると、全社に契約を拒否されるみたいです。この場合、「料金滞納があるので契約できません。」と説明されて、滞納分を支払うと契約できるようになるようです。
B,理由を教えてもらずに契約拒否
この場合、「総合的判断により契約できません。」と言われます。「総合的判断って何ですか?」「契約拒否の理由は何ですか?」と聞いても全く教えてもらえません。料金滞納の場合は上記の通り料金滞納が理由であると明言してもらえるので、料金滞納が理由ではないはずです。このような事象は俗に”総合的判断”と呼ばれてます。この”総合的判断”をくらった人は「総合的判断 ソフトバンク」などでネット検索すればよく見つかります。ソフトバンクの事例が多いみたいです。

この総合的判断を宣告された人は、携帯電話会社のブラックリストに登録されて一定期間(半年とか一年とか)はその状態が続くようです。その期間の間に何回契約の申込をしても同じように総合的判断で契約拒否されるようです。

さてここで電気通信事業法の第121条を見てみましょう。
(提供義務)
第百二十一条  認定電気通信事業者は、正当な理由がなければ、認定電気通信事業に係る電気通信役務の提供を拒んではならない。
2  総務大臣は、認定電気通信事業者が前項の規定に違反したときは、当該認定電気通信事業者に対し、利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

電気通信事業者には電気通信役務を提供する義務があり、料金滞納など正当な理由が無い限り契約に応じなければならないわけです。
ちなみに「電気通信事業法逐条解説」という本に書いてあったのですが、認定電気通信事業者は業務のため他人の土地に入ることなどができる”公益事業特権”というのを国から与えられているそうです。いわばその特権の見返りとして電気通信役務を提供することが義務付けられているようです。

※ソフトバンクモバイルは認定電気通信事業に当たるそうです。(総務省に電話で確認済み)

この法律には刑事罰はないため「総合的判断」による契約拒否は民事的な不法行為になります。

どう考えても「総合的判断」が正当な理由とは思えません。(そもそも理由になってないというか何も言ってないに等しい。)

この「総合的判断」を私も食らいまして、ソフトバンクモバイルの申し込み結果窓口(TEL 0800-222-1888)に問い合わせた所、「審査の基準は機密事項なのでお答えできません。」と言われました。やはり断固として理由は言いたくないようです。

そこで私が原告でソフトバンクモバイル株式会社を被告として本人訴訟(代理人の弁護士をつけない訴訟)での民事訴訟の提起をしました。

訴状はこちら(docファイルでkingsoft writerで作成)。訴状の内容を簡単にまとめると

1.某ケータイショップでソフトバンクのスマホ契約しようとしたら、総合的判断で契約拒否された。
2.ソフトバンクのコールセンターに電話かけて理由を聞いても、理由は教えられないと言われた。
3.理由を言わないで契約拒否するのは電気通信事業法第121条違反の不法行為である。
4.この不法行為がなければ(契約が成立していれば)、スマホが無料(一括0円)で手に入ったり、キャッシュバックが手に入ったり、月月割(月額料金から一定額を割り引く制度)を受けられたり、スマホが使えるという便益を得られたりしたはずである。
5.よってソフトバンクはこの不法行為によって発生した損害(20万円)を賠償せよ

市役所でやってる弁護士の無料法律相談でこのような訴訟は法的にどうかと聞いてみました。

弁護士の意見まとめ
「このような”不法行為が発生したことによって、この不法行為がなければ本来得られたはずの利益(逸失利益)が得られなくなった。よって損害賠償しろ。”という構成はよくあるパターン。」
「契約するかどうかは本来”契約自由の原則”があるけど、電気通信事業法第121条があるからこのケースは”契約自由の原則”は当てはまらないと思う。」
「しかしおそらく判例がないのでよくわからん。」

結論は「よくわからん」ということです。

ソフトバンクモバイルに「総合的判断取り消して契約締結して、訴訟の手数料(切手代と印紙代)払ってくれたら和解(訴訟取下げ)してもいいよ。」という和解勧告を試みましたが、拒否されました。訴訟で争うしかありません。

総合的判断で契約拒否された人は私の訴状をテンプレにしてソフトバンクやauやドコモやワイモバイルに訴訟を起こしてみてはどうでしょうか。私はソフトバンクだけですが、同様にしてauやドコモやワイモバイルの総合的判断をくらった人はぜひ訴えてみてください。くわしい訴状の作り方などは上記の訴状に注意書きとして書きました。民事訴訟は当事者適格のある人(訴えの当事者であり訴える資格のある人、つまり今回の場合は総合的判断をくらった人)だけしか訴訟を起こすことができません。私はauやドコモやワイモバイルからは総合的判断をくらってないので、できません。

ただし判例がないので勝てるかどうかは保証しません。そうかといって私の訴訟の判決を見てからでは相当先になってしまいます。最悪負けても本人訴訟なら切手代と印紙代でだいたい7000円くらいの損失で済みます。(ただし本人訴訟の場合、何回か平日の裁判の期日に行かないといけません。)訴えてから和解勧告した場合、auやドコモやワイモバイルなら和解してくれるかどうかも試してみてください。

というわけで総合的判断で契約拒否されて、自分で訴訟する場合で何かわからないことがあれば、相談にのります。自分一人ではよくわからん、不安だという人は共同訴訟(複数の人が同じ件について一緒に訴えること)もあります。参加したい人(東京近郊なら多分可能だと思いますが、他の地域でもできるかもしれないので応相談)はご連絡下さい。参加できるのは実際にソフトバンクモバイル,au,ドコモ,ワイモバイルから総合的判断をくらった人だけです。もしたくさん人が集まれば、facebookグループかLINEのグループを作ります。

参加するかどうかわからんけど、とりあえずどんな感じか様子見とかそういう感じでもいいので連絡下さい。

ただし裁判するには以下の覚悟が必要です。
1.手数料が7000円くらい(控訴する場合はもっと必要)
2.書類とか作らなければならないので多少面倒
3.何回か平日に裁判所に行かなければならない。(共同訴訟の場合はほとんど行かなくても済むかもしれません)
4.この訴訟で共同訴訟はまだやってません。共同訴訟を申し込んでもひょっとしたら裁判官の判断で分離(複数名の原告の裁判を原告一人ずつの裁判に分割すること)させられるかもしれません。その場合は一人で訴訟をやることになるかもしれません。裁判官の判断なのでやってみなければわかりません。
5.そもそも判例がないので勝てるかどうかわからない(私は当然勝てる見込があると思ってやってますが、裁判はやってみなければわかりません。)

追記1)
訴訟の目的
1.携帯電話各社から賠償金(20万円程度)をせしめる。
2.訴えた上で和解(総合的判断取り消し)を目指す。(ソフトバンク以外)
3.最終的には携帯電話各社に総合的判断を止めさせる。
1は裁判やってみないとわかりません。しかし判例がないので各社が負ける可能性もあります。大手企業はコンプライアンス的に自分たちが大々的にやってることについて違法であるという司法判断が下されるということは相当嫌がると思います。なのでそれを回避するため庭茸芋は訴えて和解勧告すれば応じるかもしれません。